ご時世がご時世なだけに万全に万全を重ねたうえでの開催となり、もちろん、声援は自粛。それでもファンの熱い想いが漂う中、第一試合からCTCタッグ選手権試合のタイトルマッチが実現。
王者チーム紫龍みお＆田馬場貴裕に挑んだのは鳳華＆佐野直組。キャットファイターとしてCPEの歴史を誰よりも知っている鳳華に、CPEの歴史を常にサポートしてきたプロレスラー佐野直というタッグなだけに、20周年記念大会ゆえ何としてでもタイトルが欲しいところ。それにゆえに鳳華が果敢に攻め込む。
しかし、試合中にあるコトが発覚し、いろいろな意味で女性の扱い方を知らない田馬場が容赦なく鳳華を蹴り倒す。これが声を出せる環境だったら、おそらく客席からは大ブーイングが起きただろう。そう思わせるほどの猛攻を見せて王座を防衛。大会のオープニングを飾った。
続く第二試合は範田紗々 vs きゃんでぃぺろみというセクシーであり癒し系な組み合わせによる『アダルト凶器公認SEXY ART試合』が行われた。
この試合はリング上に置かれたアダルト凶器（いわゆるアダルトグッズの数々）を使って相手を攻めても良いルール。また、“セクシーアートルール”とは、試合中に見せるセクシーな仕草や表情にポイントが付けられ、その多さで勝敗が決まるCPEの恒例の試合形式だ。
試合は元セクシー女優の範田が有利に進めるものの、きゃんでぃぺろみも癒し系まったりセクシーともいえる独特の雰囲気でポイントを重ねていく。実況席の審査員による好みの偏りはあったものの（笑）、僅差で範田が勝利した。
第三試合でもCPEらしさが炸裂！ びりりあんみりんだ、アラレ王、つむゴキ、みでぃの４選手による『敗者乱交官能小説朗読！追い剥ぎ4WAY DANCE』は開始と同時に互いに服を剥ぎあいが勃発！
しかし、選手の中に誰とは言わないが“五十路のオッサン”が紛れ込んでいるため、実況席からは「びりりあんみりんだの追い剥ぎだけはやめてくれ！」という悲痛な叫びが発せられるなど、笑いを含めた展開に。もちろん、CPEのお家芸と言える追い剥ぎマッチならではの大胆さも見られ、満足な一戦となった。
CPEというキャットファイト団体の興行の魅力のひとつに、セクシーさとは対角にあるシリアスな格闘技色の強い試合が実現することがあるところだ。第四試合の次期シングルベルト挑戦者決定試合として行われたナナチャンチン vs 太田千秋が、まさにそれだ。
あまりにも緊張感が溢れる間合いのせめぎ合いに、客席にも緊張感が漂う。おそらく、声を出せる環境だったとしても誰もが見入ってしまったのではないか？ それほどの闘いがそこにはあった。
さまざまなテクニックの駆け引きが交錯する中で勝利を収めたのは太田千秋。スルリという感じで相手の首筋を巻き込むような裸絞めでナナチャンチンをタップアウトさせて、この日のセミファイナルで行われるシングル選手権の勝者に挑戦する権利を獲得。しかしながら対角差をものともせずに果敢に攻めるナナチャンチンの闘志も素晴らしく、何度もでも見たいと思わせるものがあった。これまでにCPEのリングで何度か実現している太田千秋とナナチャンチンの一戦は、間違いなくCPE名勝負数え歌である。
これまでに20年間にわたってCPEはさまざまなアダルトエンターテイメントな試合形式を生み出してきた。そんなCPEならではのセクシーさと楽しさと激しさを体感できる試合形式が第五試合で行われた『90秒ランダムフリーズ！キャットファイト』だ。土萌まりな 、アザゼル☆桃娘、伊織涼子、 雛りな、福山理子が出場したこの試合は、試合中にランダムに合図が出る。そこからの90秒間はフリーズ状態で動いてはならず、それでも仕置き人によるお仕置きを受けるというもの。
仕置き人は三代目葵マリーさんと小向美奈子さん。嬉々とした表情でキャットファイターたちを拘束したり、バイブで攻めたりするところは、まさに仕置き人だ。そして、そんな攻撃を受けてみせるファイターたちも素晴らしく、とくに伊織涼子さんの受けっぷりの良さといったら！
もちろん、他の選手も各自の魅力を発揮したうえでキャットファイトならではの楽しさが目白押し。キャットファイトビギナーからディープなファンまで楽しめる名勝負であった。
セミファイナルにラインナップされたのは王者・若林美保に挑戦者・リリーザ・ストリングスが挑んだシングル王座選手権試合だ。その実力から絶対王者と呼ばれている若林に対して、リリーがどこまで食い下がれるか？ そこがこの試合のポイントであり、体格的にも勝っているので勝利の可能性も大きく、20周年記念イヤーで歴史が変わるかもしれない……。そのような期待も高まった。
しかし、終始、「さすが王者！」と唸らされるほど若林が試合の中心となった。スルリという感じで相手の衣類を追い剥いでいく。終始、余裕な雰囲気を出しているので序盤は圧倒的に若林有利と思われたが……。
試合の途中からリリーが徐々に実力を発揮。グラマラスなボディを利用して覆いかぶさり、そのバストで圧迫するように若林を責める。男からしたら実にうらやましい攻撃である。ところが、若林美保は慌てず騒がず挑戦者のバストを舐めたり揉んだりすると、リリーは感じて悶絶するしかなく、次第に劣勢になっていく。
結果としては若林美保が防衛に成功。次期挑戦者の太田千秋は格闘技色の強いファイターであり、これまでに無かったタイプである。正直なところ、これまでの若林のセオリーが効くのか？ 興味は尽きないが、チャンピオンの“キャットファイター頭”が試される一戦になりそうだ。
この日のメインは当初、キャットファイトの母であるAkyのもう一つの顔であるミス・モンゴルが師匠の大仁田厚と組み、バナナおじさん、遠藤マメと対戦する予定であった。そこに紆余曲折があってモンゴルサイドに盟友の佐野直が。バナナおじさん組にバナナ大名が加わっての６人タッグマッチに変更。場外カウント無しのルールのため会場の各所で闘いが始まった。
キャットファイト団体CPEの20周年記念イヤーの大会だから主役はやはり、創設者のミス・モンゴルということになる。しかし、相手チームが花を持たせるわけもなく、バナナ刑に処すのであった。もちろん、これはバナナおじさんならではの愛情表現なのだろう（と思いたい）。
試合は師匠の大仁田厚のサポートを受けてミス・モンゴルがフィニッシュを決めて記念大会を締めくくった。また、試合を通じてみんながみんな、日本にキャットファイトというアダルトエンターテイメントカルチャーを定着させた彼女へのリスペクトを感じさせたことが印象的でもあった。とくに師匠の大仁田厚は穏やかな表情でモンゴルに語り掛け、この20年を労う姿は、まさに親子そのものだ。
思えば、１９８９年に大仁田厚が設立して、１９９５年にミス・モンゴルがデビューしたFMWという伝説のプロレス団体はデスマッチをはじめとするさまざまな試合形式で人気を博した“なんでもあり！”のプロレス団体であった。思えば、CPEもこの日のメインのようにスタンダードなプロレスの試合もあれば格闘技色の強い試合もあり、真骨頂であるセクシーな試合もあり、まさに“なんでもあり！”のキャットファイト団体だ。それはやはり、大仁田厚のDNAを受け継いだミス・モンゴルが育んだからであり、師匠もそれを誇らしく思っているのではないか。花道を引き揚げる二人の笑顔がそれを物語っていた。
今後のCPEはまだまだバク進を続けます！ まずは7月30日、31日には池袋LIVE IN ROSAにて毎夏恒例の『キャットファイト夏祭り』を開催。
そして、10月30日、31日には埼玉のMAGIC BOXにて『CPE20周年ラスト女祭り2021～シングルマッチスペシャル～』なるCPEの20周年記念イヤーを締めくくる大会が決定！ ますます目が離せない！
チケットなどの詳細は下記URLで要チェック！
（文：キャットファイトライター・ゐりゑ）
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